向島スイーツその１ 長命寺桜もち

昨今の不況などですっかり数の減ってしまった料亭ですが、
銀座、赤坂、向島にはかろうじて残る・・・そんなさみしい話も庶民にはピンとこない。
浅草に近く花街の名残のある向島は、私にとっては料亭というより下町のスイーツの聖地。

いくつか残る歴史ある和菓子屋さんの中で、一番古くこれぞおもたせ！といえるのが
”長命寺桜もち”です。その歴史は享保２年（１７１７年）より続く、桜もちの老舗。

ふつう桜もちは桜の葉１枚に包まれていますが、ここの桜もちは２～３枚の葉を使用しています。
そして皮は白く、薄いクレープ状の生地で、さらっとした甘さのこしあんが入っています。
餡がそれほど甘くないのに、桜の葉のほんのり塩味と桜の香りが皮に移り
なんともいえない風味を出していて、私はついつい手が止まらなくなるほど大好きです。

ちょっとトリビアを。なぜこんなに桜の葉を使うのか？桜の葉がいっぱいあるからです。
隅田川沿いに続く桜並木の葉を集めて塩漬けにし、長命寺の門前で売り出したのが
ここ長命寺桜もちの始まり。
浅草に近い土地柄、お寺が多く参拝者が多い中、毎日溜まる桜の葉の活用法として
塩漬けにして参拝者にお菓子と一緒に出したら、評判が良かったそうです。
それが次第に桜の葉で包むようになり、これが桜もちの発祥、と言われています。

ちなみに、隅田川沿いに桜の並木があるのは、八代将軍吉宗公が向島界隈を視察に来たとき、
対岸の浅草に比べて寂しい、桜の木でも植えたらどうだ！と言われたとか。

時々デパートの祭事などで出ていますが、やはりお店で買うのがお勧めです。
ただ交通の便はあまりよくなく、苦労して着いてみれば、ずいぶんとこじんまりしたお店。
はとバスツアーにこの界隈を回るコースがあるので、バスが来ると一気に売り切れたり
朝早くは既に予約でいっぱいだったりすることもあるそうですが
このあたりをフラフラすれば、すぐ近くの別の和菓子屋さんにも出会えるので楽しいです。
別のお店の話題は、またほかの日に。

スイーツ情報
　　◆長命桜もち
　　◆価格：200円　※１個の値段
　　◆であった日：2009/09/27　　※初めてであったのは子供の頃ですが

お店情報　長命寺の桜もち　

　

タグ：向島 和のスイーツ 桜もち 長命寺 お土産 おもたせ

コメント 4

はじめまして☆MYブログに、ご訪問ありがとうございました♪
桜もち、凄く美味しそうですね！
by oyatu55 (2009-09-30 22:08) 

oyatu55さん

はじめまして。
コメント＆たくさんのnice!ありがとうございます。

たどり着いたブログの写真がとてもきれいで、思わずRSS登録してしまいました。
ちょくちょく見させていただきます。
よろしければこちらへも遊びに来てください。
by チョコローズ (2009-10-01 00:42) 

チョコローズさん、こんばんは！
私は和菓子に詳しくないのでとても勉強になりました。
こちらの桜もちは清寿軒のどら焼きと肩を並べるほど入手が難しそうですね。
でも、その分、貴重性は高まるので“おもたせ”にもってこいですね。
いつか買ってみたいです。
by can (2009-10-01 01:17) 

何度もnice!とコメントありがとうございます。

和菓子も好きなだけで詳しくはないです。でもどら焼きは食べ比べてます。
会社の人が地方に出張に行くときに、
どさくさ紛れに「どら焼き買ってきて！」とお願いした時期もありました。

おもたせはなんともいえない「心」が詰まっているので好きです。
特に長命寺の桜もちは本当においしいですよ。

向島のちょっと先にはアサヒビールがありますし、お散歩にどうぞ。
老舗を探すという意味では日本橋も捨てがたいです。


by チョコローズ (2009-10-01 22:55)